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コロナ禍早く終わって欲しい [その他]

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父が亡くなりました。
コロナ禍の為に面会も出来ず葬儀にも行けません。
こんな形で父とのお別れをするとは予想外。

私の実家は遠くて、我が家からは550kmほど離れています。
最後に会ったのは令和2年の1月。
まだ両親共に実家で暮らしており、父は元気そうでした。
母は軽度の認知症で、デイサービスに通っていました。

その翌月には父の足趾が壊死寸前であることが発覚して入院。
そのまま本人の同意が無いまま老人保健施設に入ってもらいました。
家に帰ったとしても、歩くこともままならない父を誰も介護出来ませんから。
母もしばらくは独居生活を送っていましたが、やはり生活が難しいということでグループホームに入居しました。
こちらは母も望んでいたところがあるので楽しそうに生活しているようでした。
それに対して自宅に帰りたい一心の父は酷い有り様でした。
詳しくは書きませんが問題行動だらけで施設の職員さんはさぞ苦労したことと思います。

そして父は今年の8月初旬に誤嚥性肺炎で入院しました。
状態は更に悪化して8月下旬には全く飲み食い出来なくなりました。
正常であれば物を飲み込む時に喉頭蓋という器官が気管の入り口を塞いで食べ物が食道へ入るようにしてくれるんですが、これが全く機能しなくて食べ物だろうと唾液だろうと全て気管へ流れ込んでしまう状態だと言うのです。
これは老化による衰えであり、治療は難しいとのこと。
そうなればもうあとは死を待つのみです。

私は3人兄弟の末っ子で、兄と姉がいます。
父の死を目前にしていろいろ話し合いました。
もちろんコロナ禍で会うことは出来ないのでLINEを使った会議です。
その中で葬儀はどうするか、誰が参加出来て誰が出来ないのかということも話し合いました。

私は遠く離れた他県に住んでおり、緊急事態宣言が出ているこのコロナ禍では介護士という職業的にも参加は難しいと言いました。
行っても泊まれる実家はもう無いし、外泊に外食と感染リスクだらけ。
もちろん2人も理解してくれました。

そして母も参加しない(させない)という決定をしました。
母は認知症が進み、もう父の話をしても誰のことだか分からないのです。
最近は妄想(被害妄想含む)もあって精神が不安定になることも。
そんな状態の母に父の死を知らせて葬儀に参加させて何か良いことはあるのだろうかということなんです。
コロナ禍では施設から連れ出すだけでも一苦労です。
そして葬儀に参加した時、母がどんな反応をするか分かりません。
もし父のことを思い出したとしても悲しむだけです。
そして父との別れを短時間で済ませたあとは施設に帰ってからも不安定な状態で職員さんに迷惑をかけるかもしれない。
たった一つ、良いことは「母に父との別れをさせたあげられた」ということだけ。
それでは釣り合わない。
参加させないことで皆が丸く収まるならそれが最善というわけです。

全く会っていない、見舞いにも行けない父の死を目前にしても私は悲しみが湧いてきませんでした。
どこか他人事のような感じでした。
LINEを使ったオンライン面会をしても、すっかり老けた父がぼんやり見えるだけでした。

9月14日、父は看取りの為の特別室に入りました。
普通ならこの辺りから交替で、または全員集まって泊まり込んだりするのでしょうが、それも無理な話。

9月16日、兄から父が亡くなったとLINEで連絡が入りました。
父を迎えに行くのは兄夫婦だけ。
あとは入れません。
すぐに駆けつけられる距離にいる姉でさえも他県ということで病院を出るまでは何も出来ません。
LINEでのやり取りが続きます。
こんな時なのにLINEの文字だけなんて変な感じ。
これが時代というものでしょうか。

全く実感が湧きませんでした。
悲しいのかどうかも分からない。
涙も出ない。
父が亡くなったことより悲しめないことがショックで、そんな自分が更にショック。
んー、語彙力が乏しいけど伝われ。

17日、なんと母が父の遺体にすがりついている写真が送られてきました。
兄弟の話し合いで母には知らせないという決定をしたけれど、それを聞いた義姉さんが「それではあまりに可哀想だ」ということで単独で母のホームへ話をして連れてきてくれたとのことでした。
なんてありがたいことだろうと思いました。
良く考えたら、母に知らせなくて良いなんてことはなかったのです。

通夜は19日、葬儀は20日。

19日は勤務先のグループホームで敬老会を催す予定でしたが、勤務を代わってもらい、忌引としました。
申し訳ないけど、他人の長寿を祝ってる場合じゃないし、そんな気持ちにもなれませんから。
通夜では何が出来るわけでもないけど、兄と姉が電話や写真で様子を伝えてくれました。
父の死を実感し難い状況である私を気遣ってくれてるのが伝わってきます。

20日は夜勤ですが、葬儀は昼頃なのでリモートで参加させて貰いました。
礼服を来て、葬儀に参加しているつもりで画面の前に家族で座りました。
画面越しに親戚に挨拶。
時代だなぁ。
姪が端末を持って移動して、棺に花を入れるところや車に乗せて見送るところまで見せてくれました。
そして「まさか親の葬儀に出られないとはなー。思ってもみなかったなー。自分はこんなところで何してるのかなー。」なんて考えていました。

介護士でありながら自分の親の面倒は何も見ていない。
他所様の面倒ばかり見ている。
何をしているのやら。
父には何もしてあげられなかったけど、帰省して母には何かしらしてあげたい。
自分の為でも母の為でも何でも良いから介護士としての何かを母に役立てたい。

納骨は約1ヶ月先なのでコロナの感染状況によっては行けるかもしれないと、少し期待しています。
緊急事態宣言も今月末で解除されるみたいだし。
父の骨くらいには会えるかな。
無理ならもう次はお墓の中だな。
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コメント 6

mayu

お母様、最後の対面がかなってよかったですね。
認知症で、判断力が衰えても、感情は保たれているとききます。それに、記憶も、古い時代のものは、消えずにいます。
お母様には、お父様と苦楽を共にされた長い歴史があるのですから、きっと鮮明に思い出されたのではないかと想像します。

実感というのは、なかなか、すぐには湧かないものかもしれませんね。
by mayu (2021-09-21 20:02) 

リュカ

コロナ禍で身内の方がなくなるはなしを聞くたび
言い表せないもやもやしたものがこみ上げます。
本当に、こういう別れをしなければいけないなんて。
お母様、せめてお父様のお姿を見ることが出来て良かったです。
どうぞ納骨の際は、goroさんも立ち会えますように。
by リュカ (2021-09-22 06:56) 

goro

【mayu様】
喧嘩が絶えず、仲良し夫婦とは対極(笑)のような両親でしたが、対面した時に母は「ありがとう」と何度も繰り返していたそうです。
実感が湧かないならそれはそれで良いと今は気楽に考えています。
by goro (2021-09-23 05:54) 

goro

【リュカ様】
テレビで話題として取り上げられているのを観ていた時はまさに他人事でしたが、自分もそうなるとは…って感じです(^^;
感染はかなり落ち着いてきたように見えますが、どうなんでしょうね。
納骨に行けると良いなー。
by goro (2021-09-23 06:00) 

yuppie

goroさんもお父様が亡くなられたのですね。
私は傍で看取ったにもかかわらず、当日も夢をみているような
嘘みたい・・という気持ちで、妹もそんな感じだったみたいです。
今は、本当にもう父は居なくなってしまったんだなぁ・・・と
時々思います。 納骨式は行けるといいですね。
お父様のご冥福をお祈りいたします。

by yuppie (2021-10-01 00:19) 

goro

【yuppie様】
ありがとうございます。
今のところ納骨には参上出来そうです。
そしたら少しは実感が湧くのかなーなんて思ってます。
喪主である兄は葬儀前も後もいろいろ大変そうです。
yuppieさんはそろそろ落ち着いてきた頃かな?
いろいろお疲れ様です。
by goro (2021-10-01 20:29) 

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